
一般内科・生活習慣病
一般内科・生活習慣病
一般内科では、日常生活の中で比較的遭遇しやすい急性症状(かぜ症状や胸痛、腹痛など)や慢性疾患の継続的な治療とコントロールを行っています。また症状や検査結果に応じて、高度医療機関へご紹介し適切な治療を受けていただけるようにする役割も担っています。以下に内科でよく見られる症状の例を挙げています。複数の症状が出ていて「何科を受診したらよいかわからない」といった場合など、お悩みの際はお気軽にご相談ください。
このような症状と疾患の方はご相談ください
日常的によく起こる症状でも、適切な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
かぜは正式には「かぜ症候群」といって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などを主症状とする上気道(鼻やのど)を中心とした急性炎症で、短期間に自然軽快するものの総称です。発熱はあっても微熱程度で、頭痛や倦怠感などの全身症状も軽いという特徴があります。原因の80%以上はウイルスが占めており、粘膜から感染して炎症を起こしますが、抗菌薬は必要ないことが大多数です。しかし気管支炎や肺炎に進行する場合もあるため、かぜ症状がでた際には受診していただくことをお勧めします。
インフルエンザウイルスによる感染症です。A、B、Cの3型があり、通常は寒い季節に流行します。感染を受けてから平均3日間の潜伏期間の後に、38℃以上の突然の発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛、咳、鼻汁、咽頭痛などがでます。通常のかぜ症候群とは異なり、急激に発症することや全身症状が強いことが特徴です。また季節性インフルエンザは飛沫感染や接触感染によって、短期間に多くの人へ感染が拡がるため、マスクの着用や手洗いうがいが感染予防として推奨されます。
発症早期(48時間以内)の抗ウイルス薬の投与で、有病期間の短縮につながるとされており、二次感染や合併症の予防のためにも、できるだけ早めに受診することが大切です。主な合併症として肺炎、脳症が挙げられ、症状の経過によっては高度医療機関での入院加療が必要になります。
胃腸炎のほとんどはウイルス性(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)や寄生虫性が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、幼稚園や小学校、飲食店などで集団発生することも少なくありません。
症状は腹痛、嘔吐、下痢、発熱が多く、治療は脱水の補正が中心となります。また症状に合わせて内服薬も服用し、特に細菌性が疑われる場合には抗菌薬を使用することもあります。脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)が効果的ですが、嘔吐などで飲水が困難な際には、点滴加療や入院加療が必要なこともあるため、早めに受診することが大切です。
じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという一過性・限局的の浮腫が病的に生じる疾患です。たいていかゆみを伴いますが、チクチクとした感覚や焼けるような症状になることもあります。発症して6週間以内を「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。
じんましんの治療は、まず原因や悪化因子を探してそれらを取り除く、または避けるようにすることです。アレルギーが原因であれば、原因アレルゲンや直接刺激(寒冷、日光など)を回避します。間接刺激になる仕事や勉強などのストレスや、不規則な生活を避けることも重要です。薬物治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬や塗り薬が中心となります。
アレルギー性鼻炎には、スギやヒノキなどが原因で起こる「季節性アレルギー性鼻炎」と、ダニやハウスダストなどが原因で季節に関係なく起こる「通年性アレルギー性鼻炎」があります。さらっとした透明の鼻水、鼻づまり、発作的に起こる連発するくしゃみが主な症状で、空気中に浮遊する原因物質(アレルゲン)が鼻の粘膜から体内に入ることによって起こります。アレルギー性鼻炎の治療には「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法」、「手術療法」があります。また、症状の原因となるダニやスギ花粉などのアレルゲンを回避する環境を整えることも重要です。
生活習慣病とは、生活習慣が原因で発症する疾患の総称です。不適切な食生活、運動不足、喫煙、過度の飲酒、過剰なストレスなど、好ましくない習慣や環境が積み重なると発症リスクが高まります。高血圧症、脂質異常症、糖尿病などはいずれも生活習慣病とされており、虚血性心疾患や脳血管疾患に発展しやすくなります。これらは自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行し、命に関わる重篤な疾患を突然引き起こすことがあります。生活習慣病は健康診断などの一般的検査によって早期発見が可能です。決して安易に考えず、健康診断を定期的に受診していただき、異常が指摘された方は早めの受診をお勧めします。
日本高血圧学会では収縮期血圧(心臓が収縮したときの血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(拡張したときの血圧)が90mmHg以上を高血圧としており、生活習慣病で最も多いとされています。
高血圧の分類として、原因が特定できない本態性高血圧と、腎疾患や内分泌疾患など原因
脂質異常症とは血液中の「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が増えたり、「善玉」のHDLコレステロールが減ったりした状態のことをいいます。この状態を放置していると動脈硬化が起こり、虚血性心疾患や脳血管疾患といった動脈硬化性疾患をまねくリスクが高まります。
脂質異常症の発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどが関係しているといわれています。「内臓脂肪型肥満」ではLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。また、遺伝性の「家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものもあります。治療の中心は適切な摂取カロリーを計算した上での食事療法や、有酸素運動を中心とした運動療法などの生活習慣の改善が重要となります。それでも改善しなければ、薬物療法が推奨されます。
糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、十分に働かないために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものの4つのタイプに分類されていますが、日本人で圧倒的に多いのは2型糖尿病です。その発症には、インスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣が関係しているといわれています。糖尿病を発症し進行すると、神経障害、網膜症、腎症など様々な合併症を引き起こすことがあります。
治療の中心は、身体活動レベルに応じた適切な摂取カロリーに基づいた食事療法や、有酸素運動を中心とした運動療法などの生活習慣の改善となります。それでも改善しなければ、薬物療法が推奨されます。
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